GHG削減ロードマップの作り方|中小製造業向け4ステップ解説
GHG削減ロードマップの作り方|中小製造業向け4ステップ解説
「取引先からCO2削減計画を出してほしいと言われた」「銀行の担当者に脱炭素の取り組みを聞かれた」——そんな声が、製造業の経営者・工場長から急増しています。
その対応に必要なのがGHG削減ロードマップです。
この記事では、中堅・中小製造業が実際にロードマップを策定する手順を、当社が実際にお客様と作成しているサンプル図とともに4ステップで解説します。
▶ 動画でもポイントを解説しています
📌 無料で作れます! ほっとコンサルティングでは中堅・中小企業向けにGHG削減ロードマップ策定を無料でサポートしています。 👉 中堅・中小企業が無料でCO2削減ロードマップ作成できるガイド
1.GHG削減ロードマップとは?なぜ今、中小企業にも必要か
GHG削減ロードマップとは、自社のCO2排出量を把握したうえで、「いつまでに・何をして・どこまで削減するか」を可視化した計画書です。
このロードマップを持っているかどうかで、以下の3つすべてに差がつく時代になっています。
① 取引先からの要請が急増している 大手製造業はScope3(サプライチェーン全体のCO2排出量)の削減目標達成に向けて、サプライヤーにSBTに基づく削減目標の設定・認定を求める動きが広がっています。一次・二次サプライヤーとして大手メーカーと取引がある中小製造業は、対応が急務です。
② 銀行融資・ESG融資への影響 GHG削減計画を持っていることは、ESG融資やグリーンローンの審査でプラス評価されます。
③ 省エネ補助金の採択率アップ 令和8年度(2026年)の省エネ補助金は約2,450億円規模で採択率70〜90%と高水準ですが、CO2削減計画書は審査上の加点要素になります。
2.策定の4ステップ
STEP1|CO2削減計算ツールでGHG排出量を算定する
まず取り組むべきは自社のCO2排出量を数字で把握することです。
当社が提供するCO2削減計算ツールでは、1年間(12か月)のエネルギー使用量を入力するだけで、CO2排出量(Scope1・2)・エネルギー使用量・エネルギーコストが自動計算されます。
【表1】エネルギー使用量入力 → 計算結果
| エネルギー種別 | 年間使用量(入力) | CO2排出量 [t-CO2] | 熱量 [GJ] | 原油換算 [kL] | コスト [千円] |
|---|---|---|---|---|---|
| 電力 [kWh] | 25,000 | 10.6 | 216 | 5.6 | 575 |
| 都市ガス [Nm³] | — | — | — | — | — |
| A重油 [L] | — | — | — | — | — |
【表2】換算係数一覧(参考)
| エネルギー種別 | 単位 | CO2係数 [t-CO2/千単位] | 熱量 [GJ/千単位] |
|---|---|---|---|
| 電力 | kWh | 0.423 | 8.64 |
| 都市ガス | Nm³ | 2.05 | 40 |
| A重油 | L | 2.75 | 38.9 |
| LPG | kg | 2.99 | 50.1 |
| 灯油 | L | 2.50 | 36.5 |
| 軽油 | L | 2.62 | 38 |
※CO2排出係数は購入している電力会社・年度により異なります 出典:環境省・経済産業省 算定・報告・公表制度
電気・ガス・油の使用明細(過去1年分)があれば、2〜3時間でScope1・2のCO2排出量が算出されます。
STEP2|日本のロードマップを参考に削減目標を設定する
現状が把握できたら、日本の削減目標を「上位目標」として参照しながら自社の目標を設定します。
【図:日本の最新脱炭素目標(2013年度比)】

出典:日本経済新聞 2024年12月24日記事
| 目標年 | 削減率 | 排出量 |
|---|---|---|
| 2030年 | ▲46% | 7.6億トン |
| 2035年 | ▲60% | 5.7億トン |
| 2040年 | ▲73% | 3.8億トン |
| 2050年 | ネットゼロ | 排出・吸収:0 |
日本は2030年度目標と2050年ネットゼロを結ぶ直線的な経路を、着実に歩んでいく方針です。この「直線的な削減経路」の考え方を、自社のロードマップにも取り入れることが重要です。
中小企業版SBT(Science Based Targets)の目標値(参考)
- Scope1+2:2030年までに2020年比42%以上削減
- Scope1+2:5年ごとに直線的な削減経路を維持
- 目標期間:5〜10年以内(最大10年の目標設定)
中小企業版SBTの認定を取得することで、取引先からの信頼度とESG融資評価が大きく向上します。
STEP3|優先順位マップで施策を絞り込む
目標が決まったら、具体的な削減手段を洗い出し優先順位をつけます。
【図:CO2削減取り組みの優先順位マップ(サンプル)】

当社が使用する優先順位マップでは、縦軸をCO2削減量、横軸を投資回収年数、円の大きさを投資額として施策をプロットします。**右上エリア(優先度1)**が削減量が大きく回収も早い最優先施策です。省エネ補助金が活用できる施策を先に実施することで、投資回収年数が大幅に短縮されます。
STEP4|ロードマップで年度別に可視化する
【図:簡易(俯瞰)ロードマップ(サンプル)】

【図:詳細(積み上げ式)ロードマップ(サンプル)】

詳細ロードマップは、各削減メニューのCO2削減量を積み上げて作成します。作成の3つのポイントは以下の通りです。
① 目標線と計画線を比較する 直線的な目標線(日本のロードマップを参考に設定)と、施策を積み上げた計画線を重ね合わせて確認します。
② 優先順位順に実行年を決定する STEP3の優先順位マップで優先度が高い施策から、実行年を割り当てていきます。
③ 未達分を把握して対策を追加する 計画線が目標線に届かない残余分(未達分)を把握し、追加施策を検討します。
このサンプルでは、省エネ施策だけで年間1,160万円のコスト削減効果も試算されています。
3.無料でロードマップを作る方法
ほっとコンサルティングの無料策定支援
CO2算定(計算ツール使用)から施策の洗い出し・優先順位マップ・詳細ロードマップの完成まで、無料でサポートします。
省エネ補助金との連携
完成したロードマップは令和8年度省エネ補助金の申請でも強力な根拠資料になります。
| 補助金類型 | 対象 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ型 中小企業投資促進枠 | 工場全体の省エネ | 1/2 | 15億円 |
| Ⅲ型 設備単位型 | 高効率空調・工作機械など | 1/3 | 1億円 |
4.準備のタイムライン
| 時期 | やること |
|---|---|
| 今すぐ | CO2計算ツールで現状把握(Scope1・2) |
| 1〜2か月後 | 日本の目標を参考に削減目標設定・優先順位マップ作成 |
| 2〜3か月後 | 詳細ロードマップ完成・取引先・銀行へ共有 |
| 申請シーズン前 | 省エネ補助金申請(CO2削減計画書として活用) |
まとめ:GHG削減ロードマップは「経営の武器」になる
- 取引先との関係維持・強化(Scope3要請対応・SBT取得)
- 銀行融資の優遇(ESG融資・グリーンローンの審査通過)
- 省エネ補助金の採択率アップ(加点要素として活用)
- コスト削減効果(省エネ施策で年間数百万〜1,000万円超)
今すぐ無料でスタートできます。 👉 中堅・中小企業が無料でCO2削減ロードマップ作成できるガイド
ほっとコンサルティングのサービス
GHG削減ロードマップ策定の強み
- 省エネ・再エネ・電化の専門技術者として実行可能な計画作り
- 豊富な実績(20件以上)
- 無料支援から安価なマンツーマン支援まで
補助金申請支援の強み
- 省エネ・再エネ・電化の専門技術者として難易度の高い申請内容が得意
- 豊富な実績(20件以上)
- 安価な価格設定(獲得補助金額の7%)
ほっとコンサルティング
- ホームページ:https://hotconsul.net/
- メール:fukasawa.a@hotconsul.com
- 電話:090-9805-6324
- 対応エリア:埼玉・関東・全国(Web対応)
出典:
- 日本経済新聞「2024年12月24日記事(脱炭素目標)」
- 中小企業庁「2025年版中小企業白書 第1節 脱炭素化・GX」https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2025/chusho/b1_2_1.html
- 環境省「バリューチェーン全体の脱炭素化に向けたエンゲージメント実践ガイド 令和6年度改訂版」https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/guide/VC_guide.pdf



