SBT、クレジット容認か?
GW後半戦は全国的に天気にも恵まれました。皆様はどのように休日を過ごしたでしょうか?
私は最近はまっている車中泊でのキャンプ旅に行ってきました。若干嫌がる?妻といっしょに、湯西川温泉や足利フラワーパークで自然を満喫してきました。
五月病に負けないよう、気を引き締めて頑張ってまいります!
今回の記事は揺れる脱炭素について。世界的に脱炭素が進む中、内容が見直しされることがあります。急すぎる脱炭素取り組みはこのような見直しを経て、適切な内容に変わっていくようです。日経GXからの転用記事です。
SBT、クレジット容認か?
温暖化ガスのスコープ3排出量はカーボンクレジットでオフセット(相殺)できるのか。企業の脱炭素計画を評価する国際組織「SBTイニシアチブ(SBTi)」が揺れています。
4月9日にScope3削減のクレジット活用を容認する方針を表明しましたが12日に声明を追加して軌道を修正。突然のSBTiによる容認、その後の創業メンバーのWWF(世界自然保護基金)の反対声明。
温暖化ガスを大量に排出する産業界や、クレジット市場の拡大を目指す金融界に、クレジットの役割拡大を望む声が根強いのは事実です。クレジットの信頼性を懸念して活用を最低限に止めるべきだとする意見との衝突が、ここに来て顕在化しているようにみえます。
私個人としては、クレジットは世界全体の温暖化防止のためには必要だと考えています。ただし、クレジットはCO2削減効果が曖昧なものがありえます。厳密なルールや第三者検証を行ったうえでのクレジット活用であれば、資金がある組織がCO2削減を実行し、削減したいが手段のない企業等が環境価値を購入することができます。
適切なルール改正が望まれます。
GHGプロトコル改定中
GHGプロトコルは世界の主要企業が採用する温暖化ガス(GHG)排出量の算定・報告に関する事実上の国際基準です。
現在、改定作業が進んでおり、25年をめどに最終的な基準を発表する方針です。足元では企業や業界団体などから募集した意見に基づき論点を随時公表しています。
例えばスコープ2の領域では、証書を通じて再生可能エネルギーを調達する場合の「アワリーマッチング」の導入を検討しています。正式に決まると電力の使い手企業は、電力の使用時点から1時間以内に発電された電力に由来する証書を購入するよう求められます。
再生エネの利用に「追加性」の要件が導入されるかどうかも論点の一つ。新たに設置された発電所からの調達を重視するもので、古い電源から調達した場合は追加性がないとして再生エネを使ったと認められなくなる可能性があります。
個人的な感想です。「アワリーマッチング」は面白い考え方ですね。例えば、クレジットなどでScope2(電力)を削減する際に、日中の太陽光電力の環境価値を夜間にしてはいけないことになります。太陽光発電は日中大きく発電する一方、夕方夜間には発電できないため、火力発電に頼ることになります。アワリーマッチングを導入することで、蓄電池の普及につながりますし、風力発電・原子力発電・バイオマス発電等の多様な電源の普及につながります。