【Scope1・2算定】2時間で完成!中堅・中小企業向け簡単ガイド
GHGの算定?CO2の算定?
何が違うの?
取引先大企業から要請されているから、
必要最低限の完成度で、時間をかけずにScope1・2の算定をしたいんだけど。。。

そんな中堅・中小企業の皆様向けのScope1・2算定ガイドです。
概要の理解、算定帳票の無料入手、算定のやりかた。
できるだけ簡単・分かりやすく、このページだけでScope1・2が算定できます。
時間をかけずに。完成度は60%程度。
ですが、Scope1・2の大半を占める「燃料」と「電力」の算定をおこないますので、完成度100%の排出量に対して90%程度の正確性を得られるでしょう。
取引先大企業の要請への対応は、このレベルでいいのです。
残り10%の正確性は、支援者の応援のもと別の機会におこなうとしましょう。
2時間でScope1・2を算定する!
さあ、一緒に算定をスタートしましょう!
カーボンニュートラル理解とGHG算定準備
なぜ中小企業がCO2排出量を算定する必要があるのか?
世界が沸騰しています。
CO2などの温室効果ガス(GHG)を人類が大量に排出しているからです。
異常な高温での熱中症、台風の巨大化、干ばつ・大雨洪水の両極端化、海水位の上昇、農作物や漁業の不作・北上化
2024年の世界の気温上昇は1+.55℃(産業革命前と比べて)
2℃より十分低い気温上昇に抑えないと、気候変動のリスクは格段に跳ね上がる見込みです。

これを食い止めるのために必要なのが、2050年ころまでのカーボンニュートラル(CO2排出量収支ゼロ)。
世界全体の90%の先進国・開発途上国は、カーボンニュートラルを約束しています。
国が約束したのだから、そこに所属する企業や国民もカーボンニュートラルをしなくてはいけない。
当然の義務・努力ですよね。
大企業は国の規制を受けて・自主的にカーボンニュートラルを約束し、自社のCO2を削減する取り組みを始めています。
自社のCO2を削減する範囲は、自社でエネルギー使用する際のCO2排出「Scope1・2」と原材料調達などのサプライチェーン全体を含む「Scope3」の両方です。
そのため大企業は、原材料を購入する中小企業サプライヤーが排出するCO2も把握・削減しなくてはいけないのです。
<大企業(自社)は原材料サプライヤー(中小企業)のCO2を算定・削減したい>
出典:環境省「サプライチェーン排出量の算定と削減に向けて」p.4
Scope1:事業者自らによる「直接排出」
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う「間接排出」
Scope3:Scope1、Scope2以外の「間接排出」(事業者の活動に関連する他社の排出)
無料のエクセルScope1・2・3見える化シートを入手!
Scope1・2の算定をおこなう公的な無料帳票は見当たりません。
民間企業のScope1・2・3見える化ソフトなどは有料での提供となります。
また、無料であっても機能に制限がかけられている場合がほとんどです。
ほっとコンサルティングでは、Scope1・2に加えてScope3まで見える化できるエクセルシートを完全無料で配布しています。1枚のシートでScope1・2・3が見える化できますので、Scope1・2を算定した後にじっくりとScope3を算定すれば、GHG算定は完璧です!
Scope1・2・3見える化シート 機能のご紹介

中堅・中小企業のGHG算定において必要な機能を有しています。
複雑なマクロ計算は無し、複雑な操作も無し。エクセルの操作ができる方ならば簡単に使用できます。
- Scope1・2・3の見える化
- 2030年まで入力可能で長く使える
- 5年間のScope1・2・3推移を見える化
- Scope1はSBT申請に対応:固定燃焼、車両燃焼、プロセス排出、漏洩に対応
- Scope2はマーケット基準とロケーション基準に対応
- 燃料とScope2ロケーション基準の排出原単位が入力済み

シートの入手方法
ほっとコンサルティングのお問い合わせに、
「Scope1・2・3見える化シート入手希望」と記載して送付するだけ。
メールで「Scope1・2・3見える化シート」を無料で提供いたします。
入手以降の費用発生はありませんので、安心して申し込みくださいね。
↓ほっとコンサルティング「お問い合わせ」
お問い合わせはこちら | ほっとコンサルティング
※中堅・中小企業の製造業のみ、同業者はお断りいたします
2時間でできる! Scope1・2算定
準備が完了したら、Scope1・2の算定を開始しましょう。
手元に必要なのは、燃料企業と電力企業からの12か月分の請求書だけ。
CO2排出量の基本計算式
まずは、算定の基本を押さえましょう。
CO₂排出量の算定は、活動量(燃料・電気の使用量)に排出原単位(活動量あたりのCO₂排出量)を掛け合わせて算出します。
具体的な活動量
Scope1燃料 都市ガス:Nm3 プロパンガス:kg 灯油:L ガソリン:L 経由:L
Scope2電気:kWh
<CO₂排出量算定の基本計算式>
出典:環境省「サプライチェーン排出量の算定と削減に向けて」p.55
Scope(スコープ)1算定:燃料燃焼などの直接排出
Scope1では、事業者自らが直接排出するCO₂排出量を計算します。
Scope1の算定対象
正確には以下の4種類の算定が必要ですが、まずは①②だけ算定しましょう。
①固定燃焼:自社でのガス・重油・灯油などの燃料の燃焼
②車両燃焼:社有車両の軽油・ガソリン燃焼の燃焼
③生産プロセス:工場などの生産時に排出されるGHG
④漏洩:エアコンなどの冷媒ガス等の漏洩
Scope1の算定方法
自社のエネルギー使用量と排出原単位を掛けるだけです。
燃料の排出原単位があらかじめ入力済みですので、エネルギー使用量を入力するだけ。
燃料企業の請求書から使用量を12か月分入力します。

作業は以上。簡単ですね!
生産プロセスと漏洩についての算定も、Scope1・2・3見える化シートに入力可能です。
算定については難易度が少々高いので、必要に応じて支援者への依頼をご検討ください。
Scope(スコープ)2算定 電気・熱(他社供給)の間接排出
Scope2では、他人から供給されたエネルギー(電気・熱)の使用に伴う排出です。
電気は皆さんの工場で使用していてもその場ではCO2は排出されず、電力企業の火力発電所でCO2は排出されているため、間接排出といいます。
Scope2の算定対象
①他社から購入している電気
②他社から購入している熱(蒸気、温水、冷水など)
Scope2の計算方法
自社のエネルギー使用量と排出原単位を掛けるだけです。
電気の排出原単位(ロケーション)があらかじめ入力済みですので、エネルギー使用量を入力するだけです。
電力企業の請求書から使用量を12か月分入力します。

作業は以上。2時間必要ないのではないでしょうか。
参考までに、Scope2には2つの表示方法があります。
ロケーション基準:日本全体の平均電力排出原単位で算定したもの
マーケット基準:購入している電力企業の電力排出原単位で算定したもの
Scope1・2・3見える化シートでは、両方に対応しています。
ロケーション基準は使用量入力だけで自動算出されますが、マーケット基準については電力企業の排出原単位を調べて入力します。
電力企業の排出原単位は、環境省の温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度のサイトから入手できます。
環境省_算定方法・排出係数一覧 |「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」ウェブサイト
見える化 算定結果を見てみよう


12か月分のエネルギー使用量を入力すると、Scope1・2のCO2排出量が自動算定され、グラフ・表に自動見える化されます。Scope3算定も可能ですので、別途入力するとグラフ・表に見える化されます。
Scope1・2の排出量(ton)、割合(%)が表示されますので、自社のCO2排出の傾向が理解できますね。
この見える化シートを脱炭素要請のあった大企業に渡すことで、要請に対応することができるのです!

また、5年間分入力すればScope1・2の変化推移が見える化されます。
CO2排出は増えているのか、減っているのか?
CO2削減活動の結果分析に最適です。
大企業はサプライヤー企業のScope1・2排出量の把握とともに、削減結果を必要としています。この5年間の推移グラフで自社の削減努力を伝えることができますね。
結構簡単Scope1・2算定 有料サービスもあり
いかがだったでしょうか。
思ったよりもScope1・2算定は簡単なのではないでしょうか。
極力分かりやすい記述で、不必要な情報は除外してまとめました。
大企業が欲しいScope1・2はこのレベルで十分なのです。
ですが、わざと難しく記載して支援受注に結びつけようとする支援企業が多いのは残念なことです。
ほっとコンサルティングでは、中堅・中小企業の製造業に特化し、脱炭素経営をワンストップで支援しています。
中堅・中小企業が本当に必要としている支援内容は何なのか?費用は抑えられないのか?
皆様の良きパートナーとなれるよう、がんばってまいります!
有料でもしっかりと支援を受けてScope1・2・3を算定したい、GHG削減計画を策定したい企業はこちらをご覧ください。
中堅・中小企業のCO2算定・CO2削減計画を安く・早く・簡単に