これから中小企業が備える脱炭素・SDGs経営
- ゲスト
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コラボ・コンサルト
埼玉県中小企業診断協会 副会長 町田様 - インタビュアー
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Duo Partner Design 合同会社 Webコンサルタント 松口様
- プロモーター
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ほっとコンサルティング 脱炭素経営コーディネーター 深澤
はじめに
中小企業診断士であるコラボ・コンサルトの町田様にお話を伺いました。
町田様は埼玉県を中心に、中小企業への経営支援をおこなう中小企業診断士です。一般社団法人埼玉県中小企業診断協会の副会長を務め、省エネ研究会等で中小企業のカーボンニュートラル支援に積極的にチャレンジしています。
ご質問概略
- 町田様が取り組む中小企業支援は、どのような内容が多いのでしょうか?
- 中小企業支援において、脱炭素やSDGsのニーズは高まっていますか?
- 中小企業の脱炭素経営を促進するためには、どのような対策や支援が必要でしょうか?
- 2030年または2050年に期待する日本社会の姿はどんな姿ですか?
- 今後にほっとコンサルティング様に期待することはありますか?
町田さんが取り組んでいらっしゃる中小企業支援では、どのようなことを取り組んでいらっしゃるのですか?
また、主にご依頼として多いものは何でしょうか?
私がメインで取り組んでいるのは、経営改善です。
赤字が数年続いて借入金の返済が難しい企業の黒字化を目指していき、正常化に向けて支援をしています。
例えば、赤字によって返済が難しくなるのはどのような要因が多いでしょうか?
時代の流れについていけず、赤字が2期3期と続くことが多いですね。
このような会社は誰にも相談することができず、ズルズルと赤字を出し続けることが多いような印象です。
私がメインに支援をしようとしているのは製造業なんですが、支援機関等から困っている企業を支援して欲しいという話がくれば可能な限り対応しようとしています。
最近だとコロナの影響も多いですか?
そうですね…やはりそういった部分も影響があると思います。
国の支援で2020年の4月から資金繰り支援というのが始まったんですが、それの返済がそろそろ始まるんです。
本来ならコロナが収まって返せる状況でなければいけないのに、まだこんな状況ですからね…
どうすれば返せますか?といった内容の相談も受けますよ。
それは難しい相談ですね…
そうですね。
これからの課題として良い解決策を考えなくてはいけません。
中小企業支援において、脱炭素やSDGsのニーズはどのように考えられていますか?
5年前ぐらいからSDGsが徐々に話題になりメディアでも多く取り上げられるようになってきましたね。
大手企業では既に取り組みを始めているんですが、中小企業ではまだSDGsの意味を理解していない所もあります。
まだ皆さんも想像が出来ていない部分も多いかもしれませんね。
例えば、脱炭素やSDGsをすればプラスに転じるようなことはありますか?
脱炭素やSDGsを計画的に行い自社ホームページなどに掲載すれば、知名度が上がり子ども達の就職先の候補に上がる可能性もあります。
もちろん短期的なものではなく、少なくても3年は脱炭素やSDGsを計画的に行う覚悟が必要だと思います。
そうですね。
若い世代が就職する際に、就職先の企業が未来のビジョンを描いていると安心できますよね。
ただ、現実では経営者が脱炭素やSDGsをしていると発信していますが、営業や現場は取り残されてる場合もあると思います。
この場合、営業や現場が脱炭素やSDGsを取り組むことで優位に立てることなどはないのでしょうか?
脱炭素やSDGsは身近な課題になりつつあるので、いつどこで脱炭素やSDGsのことを聞かれるか分かりませんよね。
もしも取引先に聞かれた時に、営業や現場でもスムーズに答えられたら印象も良いですね。
確かにそうですね。
中小企業が脱炭素経営を促進するにあたって、具体的な対策や受けなければいけない支援はどのようなものがありますか?
前提として、脱炭素経営はコストが上がってしまいます。
特にウクライナ侵攻以降は安かった石油や天然ガスが高騰していますよね。
これからはそれに対応して、ほっとコンサルティング様が得意とするエネルギー消費の少なくCO2を削減する商品を購入しなくてはいけません。
ですが、中小企業は資金がないので行政の補助金などを使って対応する必要があります。
購入するのを渋ってしまうとマズイですよね。
なるほど。
確かに知識がなく高価な商品を購入するだけと思ってしまうと、損をした気分になってしまいますね。
だから、どういった理由で値段が高いのか。
高い商品を購入するとどのようなメリットがあるのか。
これらを理解する必要がありますね。
そういう問題もあるから、大手企業も下請けの会社に具体的な指示を出せていないと思います。
深澤さんは、今の話を聞いて何か思われることはありましたか?
中小企業の脱炭素の進みが遅いという話に関連してなのですが、私も参加する某企業のCO2算定のプロジェクトがスタートしたんです。
政府のCO2算定スピードの想定は、取組1年目(2021年)に大企業が自社のCO2排出ををザックリと算定する。
2年目(2022年)に精度を上げ、3年目以降(2023年)に自社およびサプライチェーンの削減に入るものです。
このように段階的に進めていくのが政府の方針なんです。
これを踏まえて考えると、来年から中小企業でのCO2算定フェーズに移ると思っています。
その通りだと思います。
そう考えると早いですね…
あくまでこれは政府の考えなので、先行して行動に移している企業も多くあると思いますよ。
そうなんですね。
最後に1つだけお聞かせください。
町田さんから見られてほっとコンサルティング様に期待されることはありますか?
中小企業は脱炭素経営をサプライチェーンのお客様から求められた時に、
どういった設備やエネルギーに切り替えればいいのか分からないと思うんです。
総合的にコンサルできる人もいないと思います。
エネルギー源に強い人や設備に強い人。
ヒートポンプのように熱源の改善についてコンサルできる人はさらに少ないでしょう。
そういった部分も踏まえて、可能な限り中小企業側に立ったサポートをして貰えると嬉しく思います。
また、私自身が困った時にもほっとコンサルティング様に助けて頂きたいです。
最後に
町田様は、大手電気メーカーの工場長を務めたのちに独立した、製造業をマルチ視点で支援する中小企業診断士です。中小企業の経営から省エネまで。町田様のような支援者が中小企業の脱炭素経営には必要です。
インタビュー、本当にありがとうございました!