”施工後も継続してメンテナンスをする”基本的理念は、脱炭素経営の太い根っこだった
- ゲスト
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東京冷機工業株式会社 代表取締役社長 吉田様
- インタビュアー
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Duo Partner Design 合同会社 Webコンサルタント 松口様
- プロモーター
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ほっとコンサルティング 脱炭素経営コーディネーター 深澤
はじめに
空調・冷凍設備業である東京冷機工業株式会社の吉田社長様にお話を伺いました。
東京冷機工業は関東一円において、設計・施工・メンテをワンストップで提供しています。
脱炭素提案ソリューションや脱炭素経営の加速など、積極的にカーボンニュートラルへチャレンジしている企業です。
ご質問概略
- 御社のビジョン「“やりっぱ”にしない」や「機器生涯価値の最大化」とは何ですか?
- ①はSDGs経営や脱炭素経営の先行的な取組だと思いますが、今後、更に取り組んでいく予定はありますか?
- 脱炭素経営への取組は、社内や顧客にどのような影響を与えていますか?
(リサイクル、脱炭素提案、CO2見える化、環境ホームページ等) - 2030年または2050年に期待する日本社会の姿はどんな姿ですか?
- 今後にほっとコンサルティング様に期待することはありますか?
御社の脱炭素経営への取り組みは、何か新しい取り組みを始めたということではなく、これまで御社が普通にやってきたことを「脱炭素」という視点で捉えたら、ひとつのサービスになったと感じました。その根本に「“やりっぱ”にしない」という御社の理念があると感じましたが、そういう企業の考え方はどこから出たのですか?
我が社でいう“やりっぱ”にしないというのは、本当は工事をやりっぱなしにしないっていう意味なんです。機械を設置したら、ちゃんとそれを後々まできちんと面倒見ていく。面倒見れないところの工事はしないっていうのが、やりっぱなしにしない。だから遠隔地には販売しないのです。お客さんの本当のニーズを実現するには、直接会話するのがベストだという考え方です。
エアコンガスに再生したフロンガスをメインで使っています。一切毒性がないものですが、吸い込んだら酸欠で倒れたりするため、元々有害なものだという世間の認識がありました。しかもこれが地球温暖化にも影響があるので、再生フロンガスの啓発活動をやろうというのが、2016年ごろです。そのころオゾン層保護・地球温暖化防止大賞優秀賞もいただきましたが、フロンガスの適正な管理をやらねばと。元々そういう価値観、認識が根っこにありました。
脱炭素が叫ばれてから急に始めたというわけではないのです。そんな思いで普通にやってたことが、実は脱炭素経営だったのだと感じています。
御社のお客様のための目標である「機械の生涯価値の最大化」というキーワードについて、やって良かったなというか、お気づきになったことはありますか?
リサイクルに関していえば、エアコンは約99%がリサイクル可能であるという認識は持っていなかったです。70~80%かなと。
エアコンの廃材には希少金属が含まれています。色々使えるものが。プラスチックならチップにしてとか、バラバラにして砕いて違うものに使えます。
そのようにすでに取り組んでいた部分が元々あったので、深澤さんに今回色々と伺って、脱炭素というキーワードで結んでいったというわけです。
脱炭素だけじゃなくてSDGsとか循環型社会とか、そういうキーワードって前からあって、みんな連動しています。そういう意味で脱炭素だけじゃなくて、再生フロンやリサイクルなど、すでに多くの取組をしているというのはすごいなって思います。社長の話聞いてると私、結構感動していまいます。
脱炭素というと新しい取り組みで、みんな見栄えを気にしてるというか、後からくっつけた感がありますが、御社は元々物を大事にするという、今まで培ったものがすごくあるんだなというのは感じますね。
そうですね。あとは機械自体に新しい技術が入ってきてエネルギー効率が上がってます。我々が事業を進めること自体が省エネに貢献してる。新しく入れ替えるだけでも、相当エネルギーが下がりますので。入れ替えが進めば進むほど少ない電力でやれます。
今後の取り組みの中でさらに脱炭素やSDGsとか考えていますか?
先ほどお話したリサイクルも儲かる仕組みではありません。でももっと長い目で見た時に会社の価値になりますし、どんどんそれは進めていくしかない。社会的に選ばれる企業は、そういうことをちゃんとやることが前提条件になるし、やっていない会社は段々弾かれてしまう。大手はもっと早くやってると思いますが、うち位の規模だとまあまあ早くやってるかなと。時代より遅いのは嫌なんです。
ですから質問にあった機械の生涯価値の最大化というのは、最新の省エネ型機器に適正なメンテナンスをすると、長寿命になるわけです。でも長寿命だからといって、今度さらに省エネ技術革新があった時にいつまでもそれを使い続けるとそれも良くないので、入れ替えをおすすめする。
そういう意味ではすごい先進的な取り組みですね。社内で脱炭素やSDGsを始めた、ある意味今までやってきたことだと思うんですけど、それで何か影響とかありましたか?
やっぱり、社員自らこんなことをやろうとはなかなか思いつかないです。何故かというと現場の分別が大変なんです。意識変えをどうやってやったかっていうと、リサイクルの現場を見てもらった。株式会社ナカダイ様に見学に行かせた。工事、営業、設計、百人以上行きました。見ると意識が変わるんです。エアコンは、手で分別してるんです。あれを見るとゴミばんばん捨てちゃいけないなとなり、ようやく定着してきました。
これからの話ですが、2030年や2050年、
どんなことを考えていますか?
2030年では脱炭素やSDGs、そういう雰囲気に業界全体ではまだなってないでしょう。旗だけ揚げてるって感じがします。何かはやろうとしてるけど、これだ!って感じにはなってないと思います。
世間的には肌感で地球やばいぞってみんな感じてきてる時期ではあるけど、具体的に何をやるかってなかなか。
具体的にこれだっていう統一の取組は無いでしょう。皆で頑張ろうねって世界ですかね。それがもう少し個々の取り組みではなく、脱炭素やSDGsが普通ですよってなるといいなと思ってます。価値観の変更というか、ほんとに大事なのはこっちだぞと。考え方を変えるのは結構パワーいりますし、しかもコストがかかることが大半ですから。企業は省エネより省マネーですからね。なかなか両立しないです。
なかなか難しそうですね。そこは深澤さんの腕の見せどころというか、そういう企業を増やしていただいて。一企業の努力ではなかなか進まないですね。
仰る通り旗は揚げてるけどっていうのは、民間企業、とくに経営層のみが独自に試行錯誤しながら動いてるというか。
大企業も中小企業も関係なく、脱炭素やSDGsに取り組むことが普通になればいいですね。
社員もなんでこんなことしなくちゃいけないのって言ってましたから。
今回、御社のこれまでの取り組みを「脱炭素」というキーワードで深澤さんが「こういうのもそういう取り組みになるよね」と結んでいったのかなと思っているのですが。深澤さんに今後に期待するところとかありますでしょうか?
現在ご支援頂いている脱炭素提案営業のヒートポンプ+太陽光発電、この組み合わせは、お客さんにとって取り組みやすいと思います。引き続きご支援ご協力いただきたいと思ってますし、営業メンバーもそれでやるぞとなっていますので、進めていただきたいなと思っています。
最後に
東京冷機工業は現在、積極的に脱炭素経営を取り入れ、「脱炭素提案・調達・工事・メンテ・リサイクル」の脱炭素ワンストップサービスを展開しています。
これらの取り組みは、他の空調設備企業では見られない画期的なカーボンニュートラルへのチャレンジです。
ほっとコンサルティングは東京冷機工業の脱炭素経営のご支援をさせて頂いています。
インタビュー、本当にありがとうございました!