2025省エネ補助金 設備種類から最適な補助金を選ぼう

企業が生産設備・ユーティリティ設備・再エネ設備を導入する際に活用できる補助金について、省庁横断して汎用的に使える補助金を厳選して解説します。
GXの大きな流れを受けて、予算が大型し使いやすさがアップしています。採択率も高くなっていますので、設備投資を検討している企業にはビッグチャンスです!特に中小企業は優遇されていますので補助金活用を検討しましょう。
ほっとコンサルティングでは省エネ補助金の申請支援をおこなっています。
不明点やお問い合わせは以下よりお願い致します。
https://hotconsul.net/first-time/
導入を検討している設備から、番号の箇所をご覧ください。
オーダーメード生産設備・大規模ユーティリティ設備 ⇒1(1)
エアコン・コンプレッサー・汎用生産設備 ⇒1(3)
ヒートポンプ・コージェネレーション・バイオマスボイラー ⇒1(2)
電化・燃料転換・廃熱回収 ⇒2
再エネ設備(太陽光、バイオマス、風力、地熱、廃熱等) ⇒3
経済産業省 令和6年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業
経済産業省の補助金で事務局は「一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)」です。
経済産業省・資源エネルギー庁の令和7年度省エネ・脱炭素計画は、「省エネ支援パッケージ」として特に中小企業のカーボンニュートラルを一気に推進していく方針です。
事業形態は4つありますので、最適な類型を選択しましょう。
Ⅰ工場事業場型: 従来のA先進事業、Bオーダーメード型の類型
Ⅱ電化・脱炭素燃転型: 電化やより低炭素な燃料への転換の類型
Ⅲ設備単位型: 従来のC指定設備導入事業
Ⅳエネマネ事業: エネルギー需要最適化対策事業
全ての類型において複数年度申請が可能です。機器の製作納期等に影響されずに申請できます。
今回より中小企業の優遇が強化されました。主な強化ポイントは、Ⅰ型の「中小企業投資促進枠の新設」と、Ⅱ型の「工事費を含む」ものです。
(1)Ⅰ工場事業場型の詳細
工場・事業場全体で取り組む比較的大規模な省エネ事業が対象になります。申請枠は従来の2枠(先進枠・一般枠)に加え、中小企業投資促進枠が新設されました。申請要件が異なりますので、実施事業の省エネ計画・省エネ効果より最適な申請枠を選択します。
【対象】
大規模な省エネ設備投資、先進設備投資
例 省エネ型生産設備・嫌気性排水処理装置などの導入
【補助】
補助率 1/2(中小企業) 1/3(大企業)
上限額 15億円(複数年度は20億円)
【申請要件】
先進枠(指定された先進設備の導入)
①省エネ率:30%以上
②省エネ量:1000kL以上
③エネルギー消費原単位改善率:15%以上
一般枠(オーダーメード設備又は指定設備の導入)
①省エネ率:10%以上
②省エネ量:700kL以上
③エネルギー消費原単位改善率:7%以上
中小企業投資促進枠 ※今回新設
① 省エネ率:7%以上
② 省エネ量:500kL以上
③ エネルギー消費原単位改善率:5%以上
(2)Ⅱ電化・脱炭素燃転事業の詳細
ヒートポンプや電気炉などの使用エネルギーを化石燃料から電気に変更する「電化」と、燃料転換をともなうボイラーやコージェネレーション更新などの低炭素な化石燃料への変更「脱炭素燃転」で申請ができます。
【対象】
・電化設備(電気炉、ヒートポンプ等)
・燃転設備
【補助】
補助率 1/2(本体のみ、電化は付帯設備も含む、中小企業は工事費も含む)
上限額 3億円(電化は5億円)
(3)Ⅲ設備単位型事業の詳細
高効率な機器への更新が対象で、比較的申請が容易で人気の枠です。
【対象】
・ユーティリティ設備
高効率空調機、コンプレッサー、業務用給湯器、高性能ボイラー等
・生産設備
工作機械、プレス機械、ダイカストマシン、プラスチック加工機械、印刷機械
【補助】
補助率 1/3(本体のみ)
上限額 1億円
【申請要件】
① 省エネ率:10%以上
② 省エネ量:1Kl
③ 経費当たり省エネ量:1kL/千万円
(4)Ⅳエネマネ事業の詳細
エネマネ事業者と連携して、エネルギーマネジメントシステムとその他の省エネ設備を導入する枠です。詳細についてはエネマネ事業者へ相談ください。
↓ⅠⅡⅣ型の事業概要(事務局ホームページ)一般社団法人環境共創イニシアチブ
SII:一般社団法人 環境共創イニシアチブ|事業トップ(令和6年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業)
↓ⅢⅣ型の事業概要(事務局ホームページ)一般社団法人環境共創イニシアチブ
SII:一般社団法人 環境共創イニシアチブ|事業トップ(令和6年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業)
脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業(SHIFT事業)
環境省の補助金で事務局は「一般社団法人温室効果ガス審査協会(GAJ)」です。
事業形態は主に2つありますので、最適な類型を選択しましょう。
① 省CO2型システムへの改修支援事業
② DX型CO2削減対策実行支援事業
① 省CO2型システムへの改修支援事業
中小企業等におけるCO2排出量を大幅に削減する電化・燃料転換・熱回収等の取組により、CO2排出量を工場・事業場単位で15%以上又は主要なシステム系統で30%以上削減する設備導入等を行う民間事業者等を補助金で支援するものです。
【補助】
補助率 1/3
上限額 CO2排出削減量が4,000t-CO2/年 未満の場合︓上限1億円
CO2排出削減量が4,000t-CO2/年 以上の場合︓上限5億円
事業期間 3か年
【申請要件】
・CO2排出量を工場・事業場単位で15%以上
・CO2排出量を主要なシステム系統で30%以上削減
【補助対象範囲】
電化・燃料転換・熱回収等の取組の工事費・設備費等
今回から補助対象範囲の考え方が大きく変わりました。に更新するなどの単純な高効率化改修が対象外となりました。
キーワードは電化・燃料転換・熱回収です。具体的には以下のような設備改修が対象となるでしょう。
・ヒートポンプや電気炉での電化
・重油ボイラーをガスボイラーへ更新などの燃料転換
・コージェネレーションの導入
・嫌気性排水処理でのバイオボイラー導入
② DX型CO2削減対策実行支援事業
DXシステムを用いた中小企業等の設備運用改善による即効性のある省CO2化や運転管理データに基づく効果的な改修設計などのモデル的な取組を行う民間事業者等を補助金で支援するものです。
【補助】
補助率 3/4
上限額 200万円
事業期間 2か年
【申請要件】
・年間CO2排出量が50トン以上3,000トン未満
・DX型支援に対応可能として登録している支援機関の支援を受ける事業
・DXシステムを導入し計測すること
・設備導入以外の運用改善を 3 つ以上検討・実施すること
【補助対象範囲】
工事費・設備費・業務費等の経費
↓SHIFT事業概要(事務局ホームページ)一般社団法人 温室効果ガス審査会
https://www.gaj.or.jp/eie/shift/
民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業
環境省の補助金で、設備の種類により複数の事業がありますので、最適なものを選びましょう。
民間企業等による自家消費型・地産地消型の再エネ導入を促進する補助金です。
事業形態は5つありますので、最適な事業を選択しましょう。
① ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
② 設置場所の特性に応じた再エネ導入・価格低減促進事業
③ 離島の脱炭素化等推進事業
④ 新手法による建物間融通モデル創出事業
⑤ データセンターのゼロエミッション化・レジリエンス強化促進事業
③④⑤は特殊な事業ですので、説明を省略させていただきます。
① ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
初期費用ゼロでの自家消費型太陽光発電・蓄電池の導入支援等により、ストレージパリティ※の達成を目指すものです。
PPAと自社購入のどちらにも活用できます。PPAとはいわゆる屋根貸しのこと。初期費用ゼロで太陽光発電を設置し、15~20年の長期契約で電力を固定単価で調達する仕組みです。大手電力企業より安価な電力の調達しながら、Scope2(電力)のCO2削減が可能です。
※ストレージパリティ:太陽光発電設備の導入に際して、蓄電池を導入しないよりも蓄電池を導入した方が経済的メリットがある状態
【補助】
補助率 PPA・リース:5万円/kWh 、 購入:4万円/kWh
事業概要(事務局ホームページ、2ページ目)
https://www.env.go.jp/content/000248492.pdf
② 設置場所の特性に応じた再エネ導入・価格低減促進事業
地域の再エネポテンシャルの活用に向けて、新たな手法による自家消費型・地域共生型の再エネ導入を促進するものです。
さらに5つのメニューが設定されています。
(1) 地域共生型の太陽光発電設備の導入促進事業(補助率1/2)
(2) 建物等における太陽光発電の新たな設置手法活用事業(補助額8万円/kW)
(3) 窓、壁等と一体となった太陽光発電の導入加速化支援事業(補助率3/5、1/2)
(4) 再エネ熱利用・工場廃熱利用等の価格低減促進事業(補助率1/3、1/2)
(5) 地域における脱炭素化先行モデル創出事業(補助率3/4、2/3)
(1)(2)(3)は特殊な太陽光発電に活用できます。営農地・水面、カーポート、窓・壁などに太陽光発電を設置する際に活用しましょう。
(5)は熱の再エネを地域単位で大規模に導入する事業が対象です。
ここでは(4)について深堀していきます。
再エネ熱利用・工場廃熱利用等の価格低減促進事業(補助率1/3、1/2)は、地域の特性に応じた、(a)再エネ熱利用・自家消費型再エネ発電(太陽光発電除く)、(b) 再エネ熱利用、(c)工場廃熱等利用のいずれかに該当する取組に対し、コスト要件を満たす場合に、設備導入支援等を行うものです。
【主な対象設備】
(a)太陽熱、バイオマス熱・発電、メタン発酵バイオガス熱・発電、風力発電、水力発電
(b)地熱発電、地中熱、河川・海水・下水熱、雪氷熱
(c)工場廃熱、温泉供給設備更新
【補助】
補助率 (a)3/4 (b)1/2 (c)1/2
上限額 1億円 ((b)(c)は2か年の場合2億円)
事業期間 2か年
【補助対象範囲】
工事費・設備費・業務費等の経費
【申請要件】
CO2削減コストが基準を下回る 他
↓事業概要(事務局ホームページ)
https://www.eta.or.jp/offering/2025/netsu/files/01_gaiyo.pdf