地球に優しいヒートポンプで脱炭素に貢献!
- ゲスト
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株式会社前川製作所 ソリューション事業本部 エネルギー部門 営業グループ 北山様
株式会社前川製作所 ソリューション事業本部 エネルギー部門 営業グループ 平野様
- インタビュアー
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Duo Partner Design 合同会社 Webコンサルタント 松口様
- プロモーター
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ほっとコンサルティング 脱炭素経営コーディネーター 深澤
はじめに
冷凍機・ヒートポンプメーカーである株式会社前川製作所の北山様・平野様にお話を伺いました。
前川製作所はグローバルで活躍する老舗の冷凍機メーカーで、地球温暖化係数の低い自然冷媒を中心とした製品開発を積極的におこなう、地球に優しいモノづくりをされています。
ご質問概略
- 御社のヒートポンプ等での脱炭素関連事業の状況はいかがですか?
(TCFD等でのニーズの高まり、中小企業への拡大等) - 御社の脱炭素に関する商品・サービスはどのようなものでしょうか?
- 御社の脱炭素関連事業の拡大のための課題はありますか?
- 2030年または2050年に期待する日本社会の姿はどんな姿ですか?
- 今後にほっとコンサルティング様に期待することはありますか?
御社でのヒートポンプ等での脱炭素関連事業の状況はいかがですか?
弊社は2024年で創業100年を迎え、その歴史の中でも長くヒートポンプに携わってきました。
それに伴い実績も増えて、最近では多くのお客様から脱炭素の相談を受けるようになっています。
従来のお客様の中にもTCFD※に賛同している企業が多数あり、そのなかでもCO2削減効果が高いヒートポンプは高評価を頂いております。
※TCFD:「気候関連財務情報開示タスクフォース」各企業の気候変動への取り組みを具体的に開示することを推奨すること、その国際的な組織
例えばどのような業界からの依頼が一番多いですか?
積極的に脱炭素を推進しようとしている各種メーカー(自動車・化学・食品・医薬等)や、大手のTCFDを意識している企業が多いです。
中小企業はヒートポンプの導入を難しく考えているようで、当社への相談件数は少ないのが現状です。
実際に中小企業の人からすると、ハードルは高いものなのですか?
政府の補助金が使えるとしても、生産性の向上や老朽化対策、コストダウン策など、課題が山積している中、ヒートポンプの導入はまだ優先順位が低いのかもしれません。
ヒートポンプはCO2削減効果が高いけど、導入する余裕が今はないんですよね。
そうなんですね。御社の脱炭素に関する商品やサービスの特徴などはどのようなものでしょうか?
弊社では脱炭素を促進する商品を紹介させて頂いています。
もちろん商品を紹介するだけでなく、購入後のアフターケアもサービスに含まれています。
それは嬉しいですね。
御社の商品は普通に電力を扱うものと比べると、どれぐらいの差が出るのでしょうか?
導入すれば必ずCO2を大幅に削減できる!という物ではないのですが、上手く使って頂くと50%は削減できたというケースもあります。
産業のお客様向けに提供している弊社の商品でいえば、エコキュートがあります。
エコキュートは1台でボイラーとチラーの二役を担えますので、食品業界のお客様からもよくご要望をいただきます。
それだけでなく、化石燃料やガスを使って熱を発生させていたお客様に熱風を発生させるヒートポンプの需要も高まってきました。
ヒートポンプで使う冷媒ガスにも様々な種類があるんですよ。
地球温暖化に影響を与えるものだったり、そうでないものだったり。
そうですね。
弊社は、従来から地球温暖化への影響が少ない冷媒ガスを使用しています。
昨今カーボンニュートラルの影響もありまして、社会的にも地球温暖化への影響が少ない冷
媒が注目されています。
前川製作所さんはグリーン冷媒や自然冷媒など地球に優しい冷媒を、脱炭素化が活発に議論される以前からメインに取り扱っているメーカーさんです。
従来から提唱してきた姿勢が、現在の社会動向的にもマッチしてきた感じですね。
そういう所で我々の製品が良いねって思ってくれているお客様も多くいます。
冷温水が同時に出せるエコキュートだったり熱風を出せるヒートポンプだったり、産業にこだわった+αのヒートポンプが今売れています。
他のメーカーさんよりも一歩先を見据えているのですね。
御社の脱炭素関連事業の拡大のための課題はありますか?
脱炭素の分野を展開していくためには、自社の社員で対応できる範囲は限られてしまいます。
ヒートポンプを広めても、その後のケアが大切ですからね。
ありがとうございます。
それでは、2030年または2050年に期待する日本社会の姿はどんな姿ですか?
第一段階はヒートポンプに切り替わって、それ+新しい燃焼施設が併用されていくのではないでしょうか?
ベースラインとして、一番稼働時間が長いものがヒートポンプに置き換わっているイメージですね。
そこから次第に新しい技術や製品ができ、実用化されて自然エネルギーの割合が高くなりカーボンニュートラルが加速していく姿を想像しています。
私も同じような考えで、今ある技術でヒートポンプを推し進めていくのではないかなと思っています。
政府などのCO2削減計画を見ると、2030年までは省エネの延長で太陽光やヒートポンプなどを組み合わせたりですが、その先はイノベーション待ちですよね。
水素で前川製作所さんが考えていることはありませんか?
水素にも携わっているんですが、インフラの方がメインではないので難しいですね。
水素を燃料にして圧縮したりなど、そういうのには携わるのですが…
水素のコンプレッサーを作っているんですか?
水素のコンプレッサーも作っていました。
我々の得意とする規模があれば対応します。話は変わりますがCO2からメタンを作るメタネーションも夢がありますよね。
水素とCO2のCをくっつけると、都市ガスと同じ成分になるんですよね。
そうすれば、都市ガスのインフラで流せるようになり、インフラを変えずに再生エネルギーのガスを送れるんです。
これって現実的で夢がありますよね。
排出されたCO2が循環され、また有効利用されますからね。
ダイレクトエアキャプチャーって言って大気からCO2を吸う設備とか色んなものが出ていますよね。
CO2を回収して、燃料化できるのか?という部分が課題ですね。
面白いですね。今は厄介者のCO2が逆に求めるものになっていくんですね。
そうですね。面白くなっていきそうです。
目下の脱炭素化への取組として、まずはベースロードとして今あるヒートポンプをどこまで展開できるのかが課題です。
ヒートポンプを入れられるマーケットは、どれぐらい消化しているんですか?
家庭用エコキュートは相当入ってきていますし、産業用を考えると15%いってないぐらいでしょうか?
まだまだマーケットは残っていますね。
そうですね。まだまだいけると思います。
省エネ法が改正されますよね。
電化や水素化という言葉が出てきていますが、ヒートポンプに関するニーズの高まりって変わっていませんか?
変わってきましたが、問題はどうやってはめ込むのか。なんですよね。
その部分で停滞しているので、どうやって打破していくのかが一番のポイントですね。
なので、ほっとコンサルティングさんのような「お客様とメーカー(技術)」をつなげる方が重要な立場であり、ますます活躍していくと思っています。
深澤さんには弟子を作って頂かなくてはいけませんね。
色んなパートナーさんと連携をして広げていきたいですね。
色んなニーズが出てきたら、こんなヒートポンプは作れないのか?
という新たな課題が出るので、他社パートナーと協力するのが望ましいですね。
我々もそのような動きをやっていこうと考えています。
最後に今後、ほっとコンサルティング様に期待することはありますか?
ほっとコンサルティング様には初期営業等のお客様の声を聞いてもらったり、パートナーとしてお客様との信頼関係を作って頂くということを期待しています。
お客様と繋がりを結ぶ架け橋のような存在になって頂けると嬉しいですね。
最後に
前川製作所は前職時代に印刷業界向け熱風ヒートポンプの共同開発・特許取得をおこない、多くの印刷企業にヒートポンプを販売してきたパートナー企業でもあります。
現在も日本のカーボンニュートラルに向け、ヒートポンプ普及のパートナーとしてご一緒させていただいています。
前川製作所のヒートポンプ等の脱炭素化製品に、多くの注目が集まっています。
インタビュー、本当にありがとうございました!